香港国際空港25番ゲートにて

MALENA2004-05-18

まるで、九龍の街中に「堕ちて」行く様な錯覚に駆られる啓徳空港の方が
好きだったのは、おそらく私だけではないだろう(笑)

香港国際空港25番ゲートには、これからデリー(広東語表記:徳里)に
向かう國泰航空(キャセイパシフィック航空)の搭乗を待つ人々が
集まっていた。
ターバンを巻いたシーク教徒のおじさんや、サリーを纏ったご婦人。
ひときわ大きなバックパックを抱えた欧米人。
やたらと大きな声で電話をかける香港人
そして、私を含めた日本人ツアー客等々。

そんな人々をボンヤリと眺めていた私の脳裏に、突然二人の人物の言葉が
思い起こされて来た。

ピラミッドの前で熱風に曝され、チチカカ湖では脳ミソが縮まる感覚に
襲われながらも、取り敢えず「平気」だった屈強な彼女は言ったのだった。
「アタシ、インドだけはもう行かない!だって野良牛が車のロータリー
をグルグルしてるし、鳥葬の塔とか・・・ガンジス川には”いろいろな”
モノ流れてるし」

私が小学生だった頃、カルカッタ(現コルカタ)を中心にネパールや
バングラディシュを一年近く放浪して来た親戚の伯父さんは言ったのだった。
「ある日、日本のラーメンみたいなモノに出くわしたから食べたんだけど
よく見たら麺の中にゴマみたいなのが見えてね〜。で、よーく見てみたら
”虫”スープにも虫が浮いててね〜いや、食べたけど、アハハハハーーー!」

私的には、ロータリーを「無心」に廻り続ける牛も、鳥葬も「昆虫ダシ」の
ヌードルも、何となく「アリ」って思えてならなかった(笑)

「奇妙な笑い」が込み上げて来そうになったその時、エコノミークラスの
搭乗を案内するアナウンスが流れた。

私は、まだ半分も荷物が入れられていないバックパックを背負いながら
搭乗口に向かいながら思った。

「入国カードを書いて、一眠りしたらデリーだ。きっと楽しい旅になるに
違いない!」と(笑)


現地時間の深夜に到着したインディラ・ガンディー国際空港のイミグレーションの職員は、大きな欠伸を2回もしながら、それはそれは面倒くさそうに
私の旅券にスタンプを押してくれた(笑)