またしても梁朝偉の「黒目」にヤラれる!

完成迄には確か5年近くの歳月を要したと聞く。製作過程もどことなく「謎めいて」いたような気がする。

「2046」
60年代の香港と、未来。梁朝偉(トニー・レオン)を取り巻く女性達とのそれぞれの愛のかたち。叶わぬ愛を背負ったままの魂は、冷たく凍りついたままその温もりを自ら甦らせる事は不可能?叶わぬ愛を背負った男は、いつだって残酷な迄に優しい笑みを浮かべるだけ?叶わぬ愛を知った女は、いつだってひっそりと涙を流さなければならないの?

王家衛作品を観るのは久し振りのような気がする(笑)「欲望の翼」を彷彿させる場面もチラホラあったような気がしないでもないけれども(笑)日本ではキムタク出演と言う「だけ」で、公開前からメディアに結構取り上げられていたようだけども、これは「どうしたって」トニー・レオン(梁朝偉)の映画でしょ(笑)そもそも梁朝偉とキムタクを比べる事自体「間違い」なのは百もいや千も承知だが(笑)月とスッポンなんですよ「フェロモン、哀愁、目力」つまり男としての「魅力」そして役者としての力量が。もうそれこそ「クソガキと大人」って感じ(笑)梁朝偉のあの雨降る路地裏に捨てられた子犬のような「哀愁満載の黒目」にいつだって思わず「ヤラれて」しまうのは、決して私だけではない筈(笑)

梁朝偉の役は「やっぱり、どうしたって好きになってはいけないであろう男」
純粋と凶暴って紙一重だと私は思う。純粋故に凶暴。凶暴故に純粋。優しさも同じ。優しいが故に冷酷。冷酷故に優しい。コレを「絶妙のバランス」で使い分ける事の出来る男って、本当に「悪いヤツ」だなぁ、と私は思わずにはいられない(笑)で、誰しも「解っていながら」も、こう言うタイプの男を一度は好きになってしまった事がある筈(笑)で、結末は最初から決まっていた通り何一つ「もしかしたら」なんてパプニングは決して起こらずに涙を流す事となり・・・(笑)ダメだ、と禁止されればされる程、気持ちを押さえ込もうとすればする程、反比例するかの如くそれを「ブッ壊したい」と思う気持ちは加速するワケで。相手はそう言う「心理」すらお見通しなんでしょうな、きっと(笑)一つだけ言える事は、このタイプの男を好きになってしまった時は決して「勝負」を挑まない事(笑)勝負を挑んだ時点で既に「負け」それに、このタイプの男は全ての事に於いて「縛られる」事を最も嫌うような気がする。そもそも恋愛に「勝ち負け」なんか無い筈。でも、気の強い!?女って往々にして勝負を挑みがちなんですよねぇ・・・(笑)うんうん、ソレって凄く解る!?(笑)

しかしながら。
フェロモン男、恋愛するには骨が折れる(と言うよりは粉々になる!?)が、友人としてならば案外と「いい関係」を築けたりするから不思議だ。劇中ではフェイ・ウォンとの関係がそれに近い。男女の間に「友情」は存在しないと言う人もいるけれども、私は場合によっては「友情」はアリだと思う。(と言うか思いたい、笑)特にフェロモン男の場合、最初の出逢いが「男と女」と言う出逢い方でなければ、凄く「いいかたち」での友情が長く続く。特に恋愛事の相談をするにはこれ以上の相談相手はいないと思われ(笑)

気が付けば2046から話がかなり逸れてしまったようだ(笑)
実は、大好きな俳優の一人でもある張震も出ているのでこの映画が観たかったのだが、張震の出演場面はおそらく合計「1分」くらい!(泣)あんまりですよ、王家衛さん・・・。でも、張震が長い睫毛を伏せながら一筋の涙を流すシーンは鳥肌モンでした(笑)にしても、キムタクだけが台詞が全部日本語。興ざめしたのは勿論言う迄もなく(笑)この映画に「日本人」なんて設定全然必要無かったと思うけど(笑)