動きたくても動けない空気が行き場を失う街

週末、奇妙な夢を見た。

冬少し前の鼻先にツンと来る冷たい空気の匂い。薄い灰色をした空。道端にはほんのちょっぴり秋の色を残した落ち葉が重なる。やがて落ち葉はカサカサと言う音と共に冷たい空気にさらわれて行く。それは、紛れもなく秋も終わりの頃の札幌の風景だった。

このところ妙〜に暑い日が続いていたからこんな夢を見たんだと思う。
妙〜に・・・。いや、正直言って「何か間違っている」暑さだ、と思う東京にやって来て二度目の夏。

気温そのものは私的にはどうって事ないのだが、街全体を包み込む空気に妙〜な不快感のようなものを覚える今日この頃。気温が高いのなら、暑気に訪れたインドは気温が40℃を超えていたし、カンボジアやタイも気温は35℃を超えていたし湿度も高かったが、不快感は全く感じなかった。

この差は何なんだろう?と暫し考える。

多分、風?なのかな?空気の流れ?なのかな?

インドもカンボジアもタイも、それはごく自然に風が流れていて、空気が自然のままに循環しているような感じがした。熱を孕んだ空気が一所にじっと留まっていないとでも言うか。それとは当に真逆の状態にあるのが東京で、どよ〜んと熱気を孕んだ空気が動けないでいるような感じとでも言うか。アスファルトで固められた道には絶え間なく自動車が行き交う。高層ビルの塊は風の通り道を遮る。街中がエアコンから放出される熱に包まれる。空気が動きたくても動けないのはこう言った現状もあったりするのだろう。

梅雨が明けたら、少しは不快感を感じなくなるだろうか。