どこにもない海と森

MALENA2008-03-05

父島の宿で”まったりとした”朝の時間を過ごしていたら、突然携帯が鳴る(父島では、確かドコモとauの携帯が繋がるんだそうで)微妙にイヤな予感が・・・。

電話はシーカヤックを申し込んでいたところからで、「今日は海況が悪いためシーカヤックは中止になります」と・・・。むぅ・・・イヤな予感的中だ。まぁ、この空模様だし仕方ないさね。

シーカヤックが中止になった代わりに、車で島内を案内してくれると言う。特に断る理由もないので参加する事にし、ついでにシュノーケリングをリクエストする。

先ず最初に行ったのが、宿のある大村地区から程近い三日月山にある「ウェザーステーション」程近いと言っても徒歩なら20分くらい急な山道を登るらしいが、ここは夕陽の名所なんだそうだ。

また、クジラウォッチングをするにも良い所なんだそうで、ブロー(クジラが海面にブシューっと潮を吹くやつ)も良く見る事が出来るんだそうだ。ただ、波が高い日は波とブローを見分けるのが難しいんだそうだ。

次に向かったのが宮の浜。普段は静かな浜なんだそうだが、この日は天気が良くなく風が強い事もあり波立っていた。

向かい側に見えるのは兄島。体験?ダイビングの人たちが寒そうだった。

次に向かったのが、兄島が近くに見える長崎展望台。強い海風が絶えず吹いている。

気紛れに太陽が顔を出した時の海は、もう圧倒されるくらいの「ボニンブルー」だった。この辺りは絶えず風が吹きつけている事もあり、背丈の低い樹木が群生しており、乾性低木林と呼ばれているんだそうだ。

父島には島をぐるりと一周出来る道路はなく、集落がない所の道路はアップダウンが激しい九十九折で道幅の狭い道路が多い。父島は地図を見ても殆ど平地がなく、大部分が山地。自分的には”ほぼ乗れない”原付で周るなんて絶対に無理。レンタカー借りても良かったかも、と思う・・・。

そんな険しい道を走り次に向かったのが、父島で2番目に高い山である中央山(標高319メートル。因みに最高峰は326メートルで山の名前はないらしい)

中央山からは母島が見えた。

母島の空が灰色のグラデーションになっている。こう言う空色の時は、必ずその空の下には雨が降っているんだそうだ。父島から50キロ南にある母島は、父島とはまた違った気候で、父島よりももっと温かい島なんだそうだ。

次に向かったのが、父島の固有種でもある「アカガシラカラスバト」のサンクチュアリアカガシラカラスバトは父島でも40羽ほどしか生息していない絶滅危惧種なんだそうだ。なので、そうそう簡単にお目にかかれる筈もなく。
昔島の人たちが歩いていたと言う森の中の道を進む。この森にも固有種がたくさんあるんだそうで、見た事のないシダや木をあちらこちらで見る事が出来る。緯度は沖縄本島と同じくらいの父島だが、森の様子はジャングルと言った感じは無い。むせ返るような緑、と言った感じでもない。何と言うか独自の空気が流れている。初めて見る森だ。

どこにもないような青い海と、どこにもないような森。
父島の事が、ほんのちょっぴりだけど解って来たような気がした。