朝カレースープ、昼野菜カレー、夜チキンカレー。

MALENA2004-05-26

「食べれていいわねぇ・・・」
三枚目のナンを手にする私に向かって、向かいの席に座る50代と思しき女性は
小さく肩を落としながらそう呟いた。
「体調でも悪いんですか?」と訊ねると、彼女は更に肩を落としながら言った。「カレーもそうだけど、辛い物が苦手なのよねぇ、加えてこの暑さでしょ・・・食欲湧かなくって・・・」確かに彼女のお皿を覗くと、カレーは見当たらない。焼きそば風のヌードルと、炒めた野菜があるだけだ。
「う〜ん、インドにやって来て、カレーが食べられないとは如何に・・・」

普段は、ウラジオストクとほぼ同緯度の街に暮らしているにもかかわらず、私は何故か暑さに強い。加えて、辛さにも強いのだ。
この日も、朝から香辛料の効いたカレースープを二杯食し、昼食として三枚目のナンを二杯目の野菜カレーと共に食しているのだった。前日も、昼チキンカレー、夜ラムカレーと言うメニューを、二人前ずつこなしていたのだ。その効果なのか、この日も40度を越える暑さだったにもかかわらず「すこぶる」調子がいい。スパイスが全身に「効いている」感じだ。
しかし、周りを見渡すと「暑さ」と「カレーづくし」のせいなのか、何だか元気の無い人が「ちらほら」と見受けられた。
確かにこの酷暑とも言える状況下で「食べられない」と言う現実は、いたずらに体力を消耗し、ツライ事この上ないだろう。
肩を落とし、小さな溜息さえ漏らす彼女の目前で、こんなにも「大食漢」な自分が何だか申し訳なくて仕方なかったが、インド迄来て、カレーを食べないなんて「勿体無いよなぁ、実に」とも思えた。

ナンでいただくカレーも、長粒米でいただくカレーもそれぞれ美味しかったが、私はナンでいただく方が多かった。私自身「お米」には執着心が無く「米の飯」を何日も食べなくても平気なタイプの人間だからかも知れない。

お米に対する執着心や拘りが強い人は、或る意味異国の食事に馴染みづらい人と言えるかも知れない。
大昔(笑)訪れた香港滞在二日目の夕方、彼女は私に訴えた「おにぎりが食べたい!」と。仕方なくサークルKに行ってみるが、おにぎりなんか見当たらない
ここは香港だからおにぎりは無い。今日おにぎりを食べなくても絶対に死なないから諦めよう、と言う私の提案に対して彼女は、85㌔級の身体全身を打ち震わせながら言った「おにぎりが食べたい!」と。その迫力に圧倒された私は、彼女と共に、パシフィックプレイスの西武(今もあるのだろうか?)で奇跡的にも「海苔巻き」を発見したのだったが・・・おにぎりでは無いが、お米と海苔からなる食べ物だから、これでよしとしよう、と言う私の提案に対して彼女は言った「おにぎりが食べたい!」と・・・既に「おにぎり捜索隊」に飽きて
いた私は「後は好きに探していいよ。アタシちょっと買いたいモノあるから30分後にあのツリーの前ね〜」と言い、彼女を海苔巻きのショーケースの前に放置してしまったのだった(笑)捜索放棄と放置が原因では無いと「思いたい」が、その後彼女と旅に出る事は無かった・・・

インドで食べたカレーについて思った。
もしかすると、日本人向けにアレンジでもされていたのだろうか?
意外にも、カレーは辛くはなかった。日本のインドカレーのお店で食べるカレーの方が辛いように思えた。ただ、一般的なインド人が日常食べているカレーは、もっと辛いのかも知れないが。

話は逸れるが、私は自宅で「カレーライス」を食べる時、冷やご飯に熱いルーをかけて食べるのが好きだ(笑)ご飯の「冷たさ加減」とルーの「熱さ加減」が絶妙にルーの辛さを引き立てて、なかなか美味だったりするのだ(笑)

肩を落とし、食欲の無かった女性も食後に出されたチャイだけは美味しそうに飲んでいた。幾分元気になってくれるといいが。

砂糖を二匙も入れて、それは甘いチャイを飲みながら思った。
「今夜はチキンカレーとナンに決まりだ!」と(笑)


5月26日今日の昼食はインドカレーのお店で野菜カレーを食べる。辛さはVERY VERY HOT!(笑)香辛料の香りが食欲をそそる。実は昨日の昼食もインドカレー(笑)こちらはチキンカレーをいただく。更に・・・一昨日の昼食はカレーライス(笑)野菜カレーを食べ終え、チャイを飲みながら思った。
「明日はインドの何を書こう」と(笑)