そして、移動の日々は続く。

インドから戻った日の夜更け、私は自室(或る意味インドな部屋)で荷物の準備をしていた。ホテル送りの荷物を翌日会社に持参しなければならないからだ・・・荷物の準備にホテル・・・そう、私にはまたも移動の日々が待ち受けていたのだった。
出発:三日後の早朝
目的地:東京
滞在目的:仕事
滞在期間:六日間(仕事は五日間で一日は”自主的”な居残り)
滞在ホテル所在地:築地

この一ヶ月間、桜の京都を旅し、インドを旅し、東京に赴きと、かなり移動三昧の日々を送っていた。インドな部屋を不在にする事の方が多かったかも知れないが、基本的に「じっと」している事が苦手な性分(或る意味落ち着きが無いとも言えるが・・・)故に、私は移動が連続する事くらいは「これっぽっちも」苦にならないのだ。

以前はスーツケースをガラガラと携えるのが旅のスタイルだったが、ここ数年はバックパック一個だけ、と言うスタイルが定着している。出張も基本的には同じ。出張中の生活において、それが無くても「ま、いっか」と思える物は持って行かない主義だ。今回はパソコンは勿論(単に重たいから)CDも持って行かない。それじゃ退屈しない?と言う人もいるが「ぜーんぜん!」(笑)テレビも報道以外見なかった。(携帯で)メールも殆どしない。滅多にしない(笑)読書もしたが、持って来た本は会社の人が貸してくれた蔵前仁一さんの「ゴーゴー・インド」一冊だけ。テレビを見て、「申し訳程度」に読書をして、後はボーッとしたり、考え事をしたり、旅行の記憶を整理したり。何一つ「違和感」なんか無い。違和感どころか、むしろ「快適」だったようにさえ思える(笑)悪くない、この生活も。

私にとって大切な事は、何処にいようと、何をしようと「自分が自分らしくあること」これに尽きる。

東京での五日間は、会社とホテルの往復の日々だった。寄り道もしなかった。ホテルでの「或る意味」快適な生活が気に入っていたからなのかも知れない(笑)週末は会社のある銀座や、宿泊先の築地とはちょっと「毛色の違う」街に泊まる予定だった。
その毛色の違う街で、果たして今回私はどんな人達に遭遇する事になるのだろう?そんな事を考えながら、出張最後の夜は更けて行った。