「つい、うっかり」や「つい、魔がさして」の果ての産物

MALENA2004-06-11

誰にでもそう言う経験は必ずやある筈だと思う。
「つい、うっかりして」や「つい、魔がさしてしまって」購入するに至ってしまったモノ達。勿論、私にだってそう言う経験は「ゴマン」とある(笑)そう言うモノ達で「溢れ返って」いる故に、私の部屋は混沌とする事を余儀なくされているのかも知れないとも言えるだろう・・・

帰宅後、要らなくなった雑誌でも捨てようかと思い立ち片付けていると「妙な感じ」の一冊の雑誌が私の目に飛び込んで来た。私は、表紙を見ながら「つい、うっかり魔がさして」この雑誌を購入してしまった状況を思い出してしまったのだった。

それは多分一年半位前の事だったと記憶している。
池袋駅の多分東口から徒歩10分位に位置する、とある雑居ビルの一室にあるアジアのCDや本や妙なグッズ等々を扱う少しばかり「妙」な雰囲気の店で、私はウォン・ビン出演映画のVCDや、韓国ドラマ「秋の童話」のサントラCDやセールになっていたヴォーグコリアを手にしていた。そして思う「う〜ん・・・あと一冊くらいは雑誌が買いたい。妙な雰囲気が充満するこの店内には、必ずや妙なモノが潜んでいるに違いない」と。今一度、国別に仕切りの入った棚に目をやると・・・「北朝鮮」の文字が。「えっ・・・北朝鮮グッズ!?」思わず眉間に皺を寄せながら棚に並ぶ品々を見る。本にCD。更に眉間に皺を寄せてそれぞれ手に取ってみる。単に「恐いもの見たさ」だ。そして、ビニールに包まれた薄っぺらい一冊の雑誌を手にする。表紙には女の子と兵士の絵が描かれ、ハングルでアドンムナク(児童文学)と書かれている。「子供の本か・・・それなら”大丈夫”かも知れない・・・」350円と言う値段も手伝い、私はその雑誌を手に取ってしまったのだった。これこそ当に「つい、うっかり魔がさして」と言うやつだろう・・・おそらく私は、その狭い店内に充満する「妙」な雰囲気満載の空気を吸い込み過ぎた故に「まとも」な判断が出来なかったのであろう・・・

私は、この国で生まれ育っている。故に、どうしても北朝鮮と言う国家の基軸となっているイデオロギーは理解し難い。と言うか理解しようなんて気持ちは更々無いが。児童文学と書かれた本の表紙を開くと、いきなり楽譜が書いてあった。「ま、子供の本だからねぇ」と思いながら歌の題名を見ると・・・
「キムジョンイルチャングヌゥイノレ=金正日将軍の歌」・・・どうやら子供の本だと「タカをくくって」いた私が甘かったようだ。こうして思想教育は徹底的になされて行くのだろう。幸い!?私の場合、ハングルは読めても意味は解らない方が多い(笑)それに、ハングルも韓国と北朝鮮では言い回しやイントネーション等々に違いがあると聞いた事がある。韓国のニュースで南北会談で北朝鮮の人が話している場面にハングルの字幕が付いていたのを見た事があるのはそのせいなのだろう。色々な意味でその後、私が辞書を引いて迄この雑誌を読む事を「しなかった」のは言うまでもない(笑)