夕暮れのラサを私はアイス片手に歩く。

MALENA2004-08-18

「よく眠れましたか?」
参加者の中で、おそらく最高齢と思しき優しい面持ちのおじさんは、ツアー開始から毎朝私を見るとこの言葉を投げかけてくれる。おそらく遠い街から一人で参加している私を気遣ってくれているのだろう。有り難い事だ。幸いな事に私は、旅先に於いても実によく眠れるタイプの人間だ(笑)良く食べ良く眠る。私の旅の基本はこれに尽きると言っても決して過言ではない。

チベット滞在2日目。この日は一日ラサ市内の観光だった。
昨日の段階で、高山病の症状が重かった2人はホテルで静養。私自身は高山病の症状も無く至って元気だったが、昨夜は頭痛で眠れなかった人や、お腹を壊して眠れなかった人もいたようだ。熟睡出来た私は極めて「幸せ者」だと言えるだろう。

午前中は先ずセラ寺を見学。ここに来て「ようやく」チベットらしい雰囲気が漂い始める。灯りを灯し続ける為に、薄暗い寺院の中で経文を唱えながら燭台にバターを注しながら祈りを捧げるチベットの人々。仏像の前で熱心に祈る人。彼等は何を思いながら熱心に祈り続けているのだろう。チェ・タツァン前の広場には2匹のチベット犬!?がじゃれていた。話に聞いていたような凶暴な感じは一切なかったのだが・・・。

次に向かったのはジョカン。昔はジョカンがラサの中心地だったのだそうだ。(現在はポタラ宮なんだそうだ)ジョカンの前では盛んに五体投地が行われていた。一人で行っている人もいれば、5人程が横一列で行っている場合もあり、行う人数には「決まり」が無いように見受けられた。ジョカンの中は人で溢れ返っていた!お参りに来たチベットの人々に観光客。だたでさえ薄い(筈の)ラサの空気が益々薄くなるのでは・・・と思える位の人、人そして人(笑)
張り切って!?連なるマニ車を回し続けたせいだろうか?マニ車の回廊の最後では少々息切れを感じが、ジョカンの屋上から見るラサの街は、息切れを忘れさせてしまう位「穏やか」な表情をしていた。

昼食後に向かったのはポタラ宮。ラサの街にそびえ立つ一際大きな建物それがポタラ宮だ。ここはラサ観光最大の名所と言えるのかも知れない。実際のところは定かではないが、3000室の部屋があると言われている宮殿内の部屋を見学して歩く。金や宝石からなる歴代ダライ・ラマの霊搭は圧巻だ(特にダライ・ラマ5世のが凄い)立体マンダラも見応えがある。このポタラ宮、写真撮影に凄く制限があり、一部屋毎に70〜100元の撮影料が必要な場合もあるし、写真撮影不可の部屋もある。好き勝手に写真撮影してはいけないのだ。ポタラ宮屋上からは、ラサ市内が一望出来た。ラサは四方を山に囲まれた街なんだと改めて思う。市内で最も高い建物から見上げる空は、くっきりとそしてちょっとばかり「コワイ」位の青さだった。

ポタラ宮見学後は、買い物を兼ねてバルコルに向かう。ここは多くのお店や露店がひしめき合う市場だ。大小さまざまなマニ車や仏像や衣類にアクセサリーに漢方薬らしきものやタンカ(マンダラ)に日用品等々。そしてそこに集まる地元の人や観光客で「初詣」さながらの賑わいだ。私的には、こう言う混沌とした感じが「この上なく」好きなので「ひやかし」を含めていろいろなお店を見て歩くのは楽しかったりする。バルコルでは、チベットの写真集1冊(本当は雑誌が欲しかったのだが、雑誌は中国のものしか見当たらなかったので断念)とCD2枚に餞別を貰った友人へのお土産としてタンカを購入。露店でマニ車を物色するものの、陽射しの強さで!?手に取るマニ車が熱くなっているケースが多くて(仏像やその他の金属製品も同様に熱くなっていた)何故か購入を断念(笑)物色中、誰もが私を中国人?だと思い延々中国語で話されるのが何とも可笑しくて仕方ない。(東京でも外国人にアンタナニジン?って言われるケースが多いのでいつもの事ですが、笑)結果として、チベット迄来てマニ車を購入しなかった私ってどうなんだろう!?(笑)

この日もホテルに戻ると私は近くのスーパーに買出しに出掛ける。気温が高かった事もあり、思い立ってカゴにアイスを入れる。午後8時を過ぎてもまだまだ明るいラサの街を、私はアイスを食べながら歩いていた(笑)