チベットで「唯一」足が竦んだ事。

MALENA2004-08-22

その光景を目にした私の足は竦んでいた。いや、震えていたのかも知れない。正直「怖い」とさえ思えた。狭い隙間から垣間見る眼下に広がる光景。こんな思いで用を足すのは初めてだ。え!?何!?用を足す!?

そこは、ポタラ宮入り口付近にあるトイレ。分厚く重たい布製の扉(扉と言うよりはむしろ暖簾に近い)を潜ると、外の光が程好く射し込む6畳程のスペースにトイレが2つ。向かって左側のトイレを跨いだ瞬間、その隙間から「んん!?」な光景が目に飛び込んで来る。所謂「高所恐怖症」の私にとって、10m眼下の光景が「見えてしまう」ほど怖い事はない!しゃがみ込んでみたものの、思わず足が竦む。隣で一緒に用を足しているチベット人のおばあさんと目が合ったので、思わず得意の!?身振り手振り&日本語で訴える。「下見たらコワくてコワくて!思わず泣きそう」と。まるで子供のように怖がる私に向かっておばあさんは「あっはっは〜」と笑いながら言う。(多分)「大丈夫、大丈夫だから」と・・・。ここまで怖いトイレは多分初めてだ。ヘンな汗さえ出そうな思いで用を足し終え、しゃがんだ状態でおばあさんに訴える「ふぅ・・・コワかった!」と。おばあさんは、またしても「あっはっは〜」と笑い、そして2回放屁して股引に似た厚手の下着をあげながら(多分)「ほらねぇ大丈夫だっただろう」と言う。おばあさんが横で用を足してくれていて良かった。おばあさんの存在のお陰で、私は怖がりながらも無事用を足す事が出来たと言っても決して過言ではない(笑)仕切りも何もない「シンプル」なトイレだからこそ可能だったちょっとしたコミニュケーション(笑)そう言えばおばあさん、用を足した後「拭いて」いなかったような・・・。何でもチベットの人は用を足した後は特に拭かないと聞いたような聞かなかったような。

本来らなば、このポタラ宮のトイレの写真を載せたかったのだが、足が竦んで!?いた事もあり「本来の怖さ」が全く伝わって来ない写りになってしまっていた(笑)そこでヤンパチェンのトイレの写真を載せる事にした次第で。こちらは「取り敢えず」仕切られてはいるが、扉は勿論無い。今現在はそうでもないのだろうが、中国の一般的なトイレは「仕切り」が無いと聞いた事がある。或る意味何とも「開放的」なトイレとでも言おうか。さて、このヤンパチェンのトイレ。私が用を足し終えた頃、一人の中国人のオネェちゃんが駆け込んで来た。私が立ち上がった時、彼女はもの凄い勢いで下着を下げていた。当然お尻なんかが「丸見え」なワケだが、私と目が合っても彼女は驚くでも無く、ましてや恥ずかしがるワケでも無く(笑)淡々と用を足していたようだった。

私の場合トイレに限らず、このような「ちょっとした」文化の違いのようなものを垣間見る時、その「違いそのもの」に興味を抱いてしまうタイプであるらしい。ん?そう言えばインドの時も「トイレ事情」について書いた記憶が・・・。どうやら私は旅の事を書く時は「どうにも」トイレの事を書かずにはいられないタイプのようだ(笑)