いつもの宴が、いつもと違って見える時。

MALENA2004-09-20

午後5時過ぎ。私は待ち合わせ場所に向かって歩いていた。
ビルの間から見上げる夕暮れの空は、いつもと同じ色をした夕暮れの秋の空。

おエライさんを囲んだ食事会。一見いつもと同じ宴の席。でも、何を食べても美味しいと思えないのは何故なんだろう?

二次会は定番!?のカラオケに。
後輩社員達がイマドキ(笑)の歌を歌い「え?これ誰の歌?」なんて台詞が飛び出すところなんかはいつもの二次会と同じ光景。私も歌いたい歌を発見する。ヘレン・メリルの「You'd Be So Nice To Come Home To」う〜ん。やっぱりどうにも好きだな、この曲!そう言えば、カラオケなんて久しぶりだったな(笑)暫くして先輩が歌う。彼女が歌った曲は「涙そうそう」歌い出してちょっとして先輩の声に異変が・・・。彼女の歌声は涙声だった。あぁ・・・マズイ・・・。「やはり」と言うか私は「もらい泣き」をしてしまったワケで・・・。一度緩んでしまった涙腺を元に戻す「強さ」なんか今の私には無い事を思い知る事となり・・・。

このメンバーで、こうした時間を過ごす事は、もう、きっと無いだろう。
この一瞬一瞬は、ただ過ぎて行くだけで、振り返る事しか出来ない。いつもと同じ光景。でも、それはいつもと同じじゃない光景。嘘みたいだけど、どうにも現実。何でこんな事になってしまったんだろう?こんな風に思う私は、やっぱり「陳腐な郷愁感」の持ち主で、考えが「甘い」って言われるんだろうな、きっと。

今迄私が仕事を続けて来れたのは、決して私一人の力なんかじゃない。この事務所のメンバーの存在があったからこそ。仕事以外の付き合いは殆ど無かったけれど、仕事の場に於いては、本当に信頼の出来るメンバー。お互いが良きライバルで、良き仕事仲間で。このメンバーなら、もっといい仕事が間違いなく出来た筈なのにと思うと、やはり悔しい気持ちが込み上げて来てならない。どうにも認めたくない現実を、嫌でも認めなければ先に進む事さえ出来ない現実。皆が笑顔で「最後の日」を迎える事は果たして出来るのだろうか?

この先の数週間、こんな場面に幾度となく出くわす事になるのだろう。
でも、可能な限り私は笑顔でいたいと思う。最後の時が、涙の記憶だけになってしまってはいけないような気がしてならない。私は決して強い人間ではない。でも、他のメンバーを悲しい気持ちにさせてしまわないように、出来るだけの事はしよう。ファイト〜!私!(笑)