手紙

昨日の深夜。私は2通の手紙を書いていた。
会社を去って行く先輩2人に渡す贈り物と一緒に添えて渡す為に。手紙を書いた理由は、直接言葉として自分の気持ちを伝えられる自信がなかったから。涙してしまって、伝えたい事の三分の一も伝えられないような気がしたから。メールと言う手段もあった筈なのに、何故今更手紙だったのだろう。

途中まで書いては、便箋をクシャクシャに丸めてゴミ箱に放り投げる事を数回繰り返し、やっと一枚の便箋に文字を綴り終える事2回。お世辞にもキレイとは言えない筆跡で綴られた文字に、彼女達への精一杯の感謝を込めて書いた手紙。私は多分自らの手で思いを書きたかったように思えてならない。

最終出勤日はバタバタする事を予想し、今朝贈り物を手渡す。贈り物を手にした瞬間、思わず涙する先輩。そんな彼女達は、私にも贈り物を用意していた。「向こうに行ったら使ってね」と言う言葉と共に贈り物を手渡された私は、朝から涙が止まらなかった。

この騒動が始まってから私が流した涙は、悔しさから流した涙が多かった。でも、ここ2週間ほどの間に流した涙は、悔しさよりも感謝や感激で流す涙の方が多くなっていた事に気付く。この一ヵ月半余りで、私は一体何年分の涙を流したのだろう。

今日で、実質的にはこちらでの仕事は最後だった。午前中は通常通り仕事をし、午後からは机の中の整理をし東京に送る荷物をまとめる作業をしたのだが、机の整理をして愕然とする・・・。改めて片付けなんかしてみると、机の中はまるでインドか、はたまた今は無き九龍城かと言ったくらいに凄まじく「混沌とした」状態で・・・(笑)奇妙なグッズ達が出るわ出るわ(笑)余りにも奇妙なモノは思い切って処分したのは言う迄もなく(笑)

明日はこちらでの最終出勤日だ。
既にパソコンやコピー機等々のいろいろな物が運び出されて、閑散とした事務所で私は一体何を思うのだろう?せめて笑顔で過ごしたい、と思う。