冷たい雨が優しく降り続く一日。

目覚めてカーテンを開けると、私の目に飛び込んで来たのは空から静かに落ちてくる雨粒たち。今日は一日雨が降っていた。冬が足早に近づいて来ている事を予感させる冷たい、そしてどこか優しい雨。こんな雨の日は何故か嫌いじゃない(笑)窓越しに雨粒を眺めながら音楽を聴いたり、考え事をしたり、ぼーっとしたり。そう言えば昔、小林麻美が「雨音はショパンの調べ」って曲を歌ってた。名前は忘れてしまったけど、誰かのカバー曲で詞はユーミンだった筈。当時、私はこの曲が好きだった。切なささえ漂うピアノの旋律が印象的だったイントロが特に。唐突にショパンのピアノが聴きたくなり探すものの、慌ててCDを詰め込んで来たせいか、ショパンのCDが無い!落胆を隠せなかったのは言う迄もなく…(笑)代わりにバッハのチェンバロを聴く。繊細に重なり合う音色はいつ聴いてもいい。案外と雨の日に聴くにはいい音色かも知れないと密かに思う。チェンバロの後に聴きたくなったのは、エンニオ・モリコーネ。まだ「おとな」では無かった頃、エーゲ海に捧ぐと言う映画をちょっとドキドキしながら(笑)観た時、その内容よりも音楽が気になって仕方なかった記憶がある。郷愁を誘うような、切なさを孕んだ旋律は(そればかりではありませんが、笑)余りに美しい。春に京都に行った時、満開の、そして散りゆく桜を見上げる私の中には、ずっと「ナタの愛のテーマ」が流れていた。幸福感と切なさに満たされたあの時を、私はこの先もずっと忘れないだろう。そう言えば、小林麻美ってどうしているんだろう?彼女のセンス、審美眼は当時の私には憧れだった。高価なモノとチープなモノをミックスマッチさせる事により、カッコよくドレスダウンさせる。シンプルな何気ないモノをカッコよく着こなす。それを見せてくれた彼女は、年令を重ねた今でもきっと素敵な女性なんだろうな、と思う。さて、帰省した時にはショパンのCDを連れて帰ろう!優しい雨が降る日の雨音を聴くために。