モスクに射し込む光は美しく、そして哀しい。

MALENA2005-05-22

イスファハンのジャメモスク。その壁のレンガには、修復された跡が見て取れる。壁が修復された理由は、イラク爆撃機がこのモスクに爆弾を投下したからだ。礼拝に訪れていた多くの一般人が犠牲になったと言う。色の違うレンガは、戦争の爪痕を静かに、そして深く見る者に向かって語りかける。

80年代、イランとイラクの間には戦争が勃発する(イラン・イラク戦争)”大国”よって”与えられた”武器で二つの国は戦い、多くの人命が奪われていった事だろう。そして、戦争が終結して17年後の現在、イラクでは毎日のように砲弾が飛び交い、多くの人の命が奪われていると言う現状。平和で穏やかな空気が流れているイランにいると、隣国であるイラクの情勢は悲しいかな正直言って信じ難い、と言うか身体に伝わって来ない。そんな私は、平和ボケ日本人の典型なのかも知れないな・・・。

ペルシャ語で、バグダットは「神が与えた街」と言う意味なんだそうだ。
神が与えた街は、今現在も戦渦の真っ只中にある。サダム・フセインが居なくなったのはいい。でも、何故戦渦はとどまるところを知らず、テロは頻発し罪のない多くの人たちの命が奪われ続けているのだろう。この戦争の「大義名分」であった筈の大量破壊兵器も結局のところ発見されるに至らなかった。武器を製造している国や武器商人が、お金儲けの為に戦争を続けているとしか思えない。戦争は国土や建物を破壊するだけでなく、罪のない多くの人の命を奪い、そこに生きる人々の精神をも木っ端微塵に破壊する。

ジャメモスクのバザールには、女性のチャドル用の生地を扱うお店が軒を連ね、買い物する人たちの活気で溢れている。街も平和で穏やかな空気が満ちていた。


穏やかな空気が流れるイスファハンの空を見上げながら思う。「神が与えた街」に同じような空気が流れるのはいつの日だろう、と。

〜追記〜
今日は何故かケロログが使えないようです。何度アクセスしても表示されず。
まだ紹介していない「音たち」があるんですけどねぇ。