「ちょいワル」に加えて「ロクデナシ」

MALENA2006-05-09

日によっては、ランチタイム時は我が社の社員食堂状態になってしまう事もある会社近くの中華料理店。ランチメニューの「日替わり麺セット」を食べながら同じ部署の女性社員は言う。

「この前美容室に行った時に”LEON"って雑誌読んだんだけど、もう、その内容に或る意味釘付けになっちゃった、アタシ」と。
「あー!知ってるその雑誌!なんか”ちょいワルおやじ”とか謳ってるヤツでしょ」と秒速で反応する私。うんうん、そうそう、私も確かに妙〜気になっていた、その雑誌!

彼女曰く、「LEON」の内容はざっとこんな感じだったらしい。
・今年の夏は肌ピタポロシャツを着よう!
・復活!グッチのビットモカシン(勿論、ナマ脚で履く)
・どパープルのアーガイルを着こなす!

某女性雑誌の「めちゃモテOL」じゃないが、事ある毎に「モテるおやじ」のススメみたいな事が提言されちゃってたりして、でもモデルは皆外国人(おそらく欧米人)だっりして、結構、いやかなーり「笑える」らしいのだ。あーあー分かる分かるっ!その「笑える」感じ!もう痛いほど!!!ハッキリ言って、このテの笑い、私は好きだっ!

プラダの肌ピタポロも、ミョーチキリンさ加減満載であろうどパープルのアーガイルアイテムも、ただでさえワイズが狭めな上に、甲の部分にビットが付いている分ナマ脚で履くにはそれなりの脚じゃなきゃ難しいであろうグッチのビットモカシンも、ちょいワルそうな雰囲気を何気に醸し出しているであろう外国人”モデル”が着用すりゃ、そりゃアンタ、素敵だろうさね・・・。

LEONが「ちょいワルおやじ」を提言するターゲットは、30代〜50代の高額所得者層なんだそうだ。この「ちょいワル」+「おやじ」と言う言葉、所得に関係なく猛烈に世のおやじ達のハートを擽るような気がする。「ワル」ではなくて「ちょいワル」(仕事や世間体なんかがあって)ワルにはなれないけれども、ちょいワルになら明日にでもなれそう!電車の中吊を眺めながら、世のおやじ達は他人様に決して気取られぬよう、ひっそりと「ちょいワルな自分」の姿を想像しながら、ともすれば退屈な空間にさえ成りかねない電車内でドーパミンを大量放出したりしているのだろうか。

にしても。
30代が既に「おやじ」と呼ばれる年代とは・・・。ソレは違うでしょ。

ちょっとキワドイアイテムをさらりと着こなし、機械式腕時計をはめ、じゃぐあ(ジャガー)を乗りまわし、クラブで踊ったり夜遊びも現役な「ちょいワルおやじ」

いや・・・一歩間違えたら、かなりキケンな予感・・・。

「ちょいワル」と言う部分を、自分流に解釈、咀嚼して「自分のちょいワル」にアレンジ出来るようなおやじならいいが、「ちょいワル」と言う部分だけが一人歩き、いや暴走してしまうようなおやじがコレを鵜呑みにしてしまったら、かなーりキケンだ・・・。世に「勘違いちょいワルおやじ」がわんさか溢れてしまいそうだ。いや、でもそれも或る意味楽しくていいけどね。

このところのLEONは、「ちょいワル」に加えて「ロクデナシ」も提言しているようだ。
かなーり高度なワザ間違いない「ロクデナシ」「ちょいワル」で「ロクデナシ」このフレーズ”だけ”を鵜呑みにして暴走してくれるおやじが街に溢れるのだろうか?

いや、でも。
キケンとか勘違いとか言ってしまったけれども、そもそも勘違いだろうが、似合ってなかろうが、自分を自分の意志でプロデュースする事は大切な事だもんね。そう思えば、街中に「ちょいワル、ロクデナシおやじ」が溢れて欲しい!と思わずにはいられないのだ。