仲間川で見たヤエヤマヒルギ=マングローブ

MALENA2006-05-28

マングローブって、てっきり木の名前だと思っていました、西表島を訪れるまでは。

仲間川を船で遡り周りの景色を見る「仲間川ジャングルクルージング」に参加する。船から眺める景色そのものは、私が思うところのジャングル感はさほど漂っているようには感じなかったが、小さなバナナや、パイナップルを一匙”グロく”したような果物(味はかなり不味いらしく、この果物は鳥くらいしか食べないんだそうだ)が自生しているあたりは南国感が漂う。

仲間川クルージングの見所は、勿論”パイナップルを一匙グロくした果物”を見る事では無く、マングローブの森と「サキシマスオウノキ」と言う推定樹齢400年の大木なワケです。これ迄マングローブとは、マングローブと言う名前の木だとばかり思っていたのだが、それは完璧に間違いで、マングローブとは、水辺に自生する木が集まった状態を指すんだそうだ。西表島では主に「ヤエヤマヒルギ」と言う木が集まってマングローブを形成しているんだそうだ。(因みに、日本でマングローグが見られる北限は屋久島あたりらしい)船のガイドさん曰く、ヤエヤマヒルギは本来はもっと水辺から遠い場所に自生していた植物なのだが、生き残る為に水辺へ水辺へと進出して来た健気な植物なんだそうだ。

水辺にがっしりと根を張っているヤエヤマヒルギからは、一見そんな経緯があったなんて想像がつかない。その枝や葉は、南国の空に向かって生き生きと大きく、そして強く深く呼吸しているように見える。幾多の苦難を乗り越えた末に安住の地に辿り着いたヤエヤマヒルギ。互いに身を寄せ合って水辺にがっしりと根を張る姿は、どことなく健気に見えなくもなかったが、私は「静かな強さ」みたいなものが見えたような気がしてならなかった。