星砂浜の星の砂

沖縄土産に小瓶に入った星の砂を貰った事がある人、結構いるんじゃないだろうか？

初めて星の砂を目にした子供の頃「へぇ〜、世の中には珍しい形をした砂があるんだなぁ」と思ったものだが、今回の旅で星の砂の正体は珊瑚に寄生する虫の死骸だと言う事実を知る事となり・・・。ちょっぴりロマンティックなネーミングとは裏腹に、ちょっぴりシュールなその砂の正体。こんな言い方はヘンかも知れないが、それはこの世で最も美しい死骸と言えるのかも知れないと思えた。

竹富島の星砂浜では、たくさんの自由な猫たちがのんびりと過ごしていた。日陰をとぼとぼと歩く猫。うにゃーと伸びをしながらごろごろする猫。ぐわ〜っと欠伸をする猫。背中を丸めてころんと横になり眠る猫。どの猫も警戒心が無く、かと言って馴れ馴れしくも無く。表情も皆穏やかで、そして何となくシアワセそうだった。

砂浜に掌を押し当て、掌の所々に付いた星の砂を眺めながらフと思う。穏やかな空気と時間が流れる場所は、全ての生き物をシアワセにするのかも知れないな、と。

竹富島の海は、まるで嘘みたいに本当にどこまでも青い色をしていた。