そこにあるのは、あるがままの地球の営み

MALENA2006-09-12

その海の名前を初めて耳にしたのは小学生の頃だった。
当時オトナたちの間では、ポールモーリア楽団の曲が流行っていたらしく(今は、”オリーブの首飾り”がマジックのバックミュージックの定番?みたいになっているけど。笑)私の家にもLP(懐!)があって時々耳にしていた記憶がある。

その中の一曲に、曲の途中に♪ラ〜ララ〜ラ♪と歌う女性の切なげな声が妙〜に印象深い曲があって、何て曲なんだろう?と思いタイトルを見たら「エーゲ海の真珠」と言う曲だった。エーゲ海?その海は何処にあるんだろう?

その数年後、ジュディ・オングの「魅せられて」と言う歌(よく教室のカーテンでモノマネをしていた。恥)エーゲ海ギリシャの方にある事を知り、さらに数年後、テレビで観た「エーゲ海に捧ぐ」と言う映画(ウチは結構厳しい家だったので、所謂濡れ場は目隠しを強要された)で画面越しではあったけれども紺碧の海を目にする事になる。妙〜な経緯を辿ってしまったせいか、私にとってエーゲ海は「オトナの海」と言う印象が強かったワケで。

トルコ2日目。トロイ遺跡見学後は右手にエーゲ海を臨みながら宿泊地であるアイワルクと言う街に向かう。「オトナの海」だと思っていたエーゲ海は、オリーブ畑の向こうに穏やかに広がっていた。紺碧の海と言うよりは、真っ青な海と言う感じがした。

トルコの日の入りは日本と比べて遅く、午後8時をまわってようやく日が沈み始めると言った感じだった。ホテルが海に隣接していたので、浜辺で日没の時間をまったりと過ごす事にする。誰もいない浜辺。波の音。風の音。太陽が海の彼方に飲み込まれて行くにつれ、少しずつオレンジ色の空は紺色に変わって行く。そこにあるのは、あるがままの地球の営みに他ならなかった。

こんな瞬間が、私は何故か愛おしくて仕方ない。