コンヤの街を走る電車

MALENA2006-09-25

その街は海抜1,200メートルのところにあり、小麦やパスタ製造の工場が多く、人口の割には街の面積が広いんだそうで、平地である事から、トルコの他の街よりも自転車に乗っている人が多いんだそうだ。

メブラーナ教会を見学する為に訪れたコンヤの街は、昔はイコンを作っていた事からイコンヤと呼ばれていたそうだ。日本で言うと、京都にように古く歴史のある街らしい。

そのコンヤの街の東西か南北かは判らないが、街の端から端を繋ぐかのように、大きな道路と並走して電車が走っていた。カーブも何もない、概ね500メートル間隔に停留所がある、ちょっぴり退屈なくらいにただただ直線だけの線路。その線路を自動車に追い越されてしまうくらいのんびりとした速度で電車が走っている。コンヤの人々の足といった感じのその電車からは、どんなコンヤの景色が見えるのだろう。

停留所の少し手前に人だかりが出来ていた。
始発駅かと思いきや、自動車が線路に突っ込むかたちで電車と衝突しており、もう、思い切り事故だった・・・。私が見た限り、死者は出ていないようだったが・・・。長閑な風景の中に突如として現れた殺気だった風景。余りの落差に、一瞬静止画を見ているような気さえした。

旅先では、時としてそれが現実だとは思いたくない光景に出くわす事もある。
インドの旅での事。早朝、未だどっぷりと宵闇に包まれたデリーの道路のド真ん中に男性と思しき上半身裸の人間がうつぶせになって転がっていた。路面に投げ出された両手が妙〜に不自然な感じ。・・・そもそも、いくらインドとは言え、こんな道路のド真ん中で爆睡する人っているんだろうか・・・。

・・・多分・・・この人は泥酔していて・・・ついうっかり、ちょっとだけ眠っているに・・・違いない・・・と・・・思いたい・・・。

月明かりにぼんやりと照らし出される路面。その時も、一瞬静止画を見ているような気がした。

旅先に限らず、人は生きている限り、それが受け入れる事が出来るか否かにかかわらず、本当にさまざまな事柄に遭遇する。それによって笑う事もあれば、涙する事もある。それが現実と言うものなんだろうと思うし、生きるって事はそう言う事の繰り返しなのかも知れないな、とフと思った。