推定残り時間5分からが本当の攻防戦

MALENA2006-10-16

推定残り時間あと約5分。あと2分はこのまま微妙な状態を維持して、3分を切ったら一気に二千円値切ろう。

全部が全部そうではないが、パッケージツアー、しかも格安ツアーの場合は、その行程中に”土産物屋”への立ち寄りが組み込まれているのが厄介だったりする。今回のトルコの旅も格安ツアー故に革製品にトルコ石と連れて行かれたワケだが、唯一絨毯屋には思わず”喰い付いて”しまったのだった。

ヘレケ(世界的にも有名なトルコの絨毯ブランド)のシルクやウールの絨毯を始めとする高級絨毯の手触りを楽しむ事暫し。先ほどから気の毒なくらいに絨毯の説明と値段交渉を持ちかけるオニイサンに「キリムを見せて欲しい」と告げる。

今回のトルコの旅では、機会があれば部屋の床に敷くキリムを購入したいと考えていた。旅の途中で立ち寄った場所場所でキリムの値段をチェックしていたのだが、私の部屋の床に敷く大きさなら日本円にしておよそ一万八千円前後だった。田舎町のドライブインあたりで見た、比較的大きめのキリムですらその値段なのだから、ここのは間違いなく高いだろう・・・。

私の目の前に大きめのキリムを広げてオニイサンは言う「コレ、四万円、ネ」と。この時点で推定残り時間約15分。「私の部屋は狭いから、もっと小さなキリムが見たい」と告げると、オニイサンは次から次へとキリムを広げる。この時点で候補は三つ。三つをそれぞれ手に取りながら値段を確認する。思った通り、安くはない。

残り8分を切ったところで、柄や色合いを考慮しながら候補を二つに絞る。
二つとも、元々二万五千円を二万円にすると言う。この段階でこう来たら、あとは5分を切ったところで一気に交渉するだけだ。

五分を切ったところで、候補を一つに決め一気に交渉に入る。
二万円は一万七千円になり、三分を切ったところで一万五千円になる。オニイサンは、これが限界だ、と言う。「ありがとう。一万五千円、ね。じゃあ、私は一万三千円で買う!で、日本に帰ったらトルコの絨毯は素晴らしいって皆に言う!」と言い満面の笑みでオニイサンに右手を差し出す。

はぁ・・・!?と言う表情と共に一瞬固まるオニイサン・・・。
2秒後、オニイサンは右手を差し出しながら言う「帰ったら、必ずトルコの絨毯はスバラシイって皆に言ってね。一万三千円、オッケー、ネ」と。両手で固く握手を交わし、オニイサンにお礼を言う。この値段が本当は別段安くもないのかも知れないが、オニイサンの努力の甲斐あって、一応納得の出来る価格で購入出来たのでヨシとする。こうして私はトルコからキリムを連れて帰る事になったのだった。

イランの絨毯も素晴らしいが、トルコの絨毯も本当に素晴らしい。

壁に大きなヘレケのシルクの絨毯を飾る。想像しただけでもシアワセな気分になれるのだった(笑)因みに、右上がヘレケのシルク絨毯で、下の大きい画像がウール絨毯です。