彼の名もまたイルハン

MALENA2006-10-24

一つ角を曲がれば見覚えのある光景が目の前に広がり、更にまた一つ角を曲がれば、またしても見覚えのある光景が目の前に広がる。

そんなバザール特有の空気が漂うグランドバザールの一角で、フと気付けば私はまたしても値切り交渉をしていた。

一軒目は絨毯屋さん。モノは玄関に敷くのに丁度良い小さいキリム。値段を尋ねたところ、オニイサンは25$だと言う。
「25!?高い高いっ!20!」
「むぅぅ・・・20はムリ!23」
「じゃあ、要らない。ごめんなさい。時間がないから他の店を見る」
と言って立ち去ろうとするとオニイサンが呼び止める「ヘイ!トモダッチ!20オッケー」と。次の瞬間私は言う「17!これがラスト」と。

一瞬、んあぁぁ!?といった表情をしたオニイサンだったが、あーもう仕方ないといった感じで「オッケー。17オッケー」と言う事で値引き交渉成立。オニイサンにお礼を言い握手を交わし絨毯屋さんを後にする。

二軒目はテーブルクロスやクッションカバーなんかを扱うお店。昨年カンボジアで買ったクッションカバーの一つがダメになってしまったので、新しいクッションカバーを購入しようと思っていたのだ。と言うワケで次なる値引き交渉はこの店に決定。

クッションカバーを手に取ると、すかさずオニイサンが話しかけて来る。「キレイでしょ?いいでしょ?」と。値段を訊けば15$だと言う。すかさずオニイサンは言う「これはね、オスマントルコ時代から伝わる伝統的な刺繍で、1針1針(ここはジェスチャー)丁寧に刺繍されているんだよ」と。私が「むぅぅ・・・」と言うとオニイサンは唐突に何処から来たのか?名前は?と質問して来る。答えた後にオニイサンに名前を訊くと、イルハンだと言う。
「おぉー!イルハン!サッカー選手のイルハンは日本でも有名だったよ。私も好きだった(笑)」
「アハハ〜。彼はマンスズね。ボクは○△□※ね(笑)」
「4年前のワールドカップで、日本はトルコに負けたんだよねぇ」
「そうだったねぇ」
何て会話をしながらも、友人のお土産用のストール20$とクッションカバー15$、合わせて35$を20$に値引き交渉成立。マンスズではないイルハンは、終止笑顔で気さくないい人でした(笑)

絨毯屋のオニイサンも、マンスズではないイルハンも英語は話せても日本語は全くダメだったので、カタコトの英語と電卓に数字を打ち込むという何ともシンプルな方法で値引き交渉成立した私は、俗に言うオバサンパワー全開だったのかも知れない・・・(笑)

こうして私の部屋には、旅先から連れて帰って来たものたちが、全く統一感を成さずに点在している・・・。でも、この統一感の無さと言うか混沌とした感じ、案外気に入ってたりするんですよね(笑)