真っ青な空の下で、真っ赤な血が流された事を思う

MALENA2006-12-01

見上げる空の色は気持ちいいくらい何処までも青い。瞳の奥にいつまでも残りそうな青い色。今年の夏の終わり東京で見上げた空もこんな青色をしていたのだろうか?

県庁前駅からゆいレールに乗り向かった先は首里駅。そう、首里城を見に行くために。一段高い場所から那覇の街を眺める。市の中心部から新都心と呼ばれる地域にかけてはビルやマンションが立ち並び、赤瓦の屋根に代表されるような”古き良き琉球”の面持ちをした建物は殆ど見かけなかった。那覇は思っていた以上に”都会”だった・・・。

首里駅からは「100円バス」に乗り首里城前で下車。この一帯は首里城公園と呼ばれておりその中に首里城がある。首里城は14世紀末に創建された琉球王国の城で、周りを城壁にぐるりと囲まれた朱色が目に鮮やかな城だ。沖縄戦で焼失した首里城だが1992年に復元されたんだそうだ。文化的な遺産までもが焼失してしまうほどの戦争・・・か・・・。真っ青な空の下で真っ赤な血が流されたのかと思うと、何とも言えない気持ちが込み上げて来る。

「正殿」「北殿」「南殿・番所」からなる首里城だが、個人的には思っていたよりも小じんまりとしているように感じた。「南殿・番所」は博物館になっていて、正殿では当時の城内の生活を垣間見る事が出来る。正殿は何とも風通しの良い建物だった。暑い土地だからこそ風通しを考慮した造りになっているのだろう。風が建物内を通り過ぎて行く度に心地良さを感じる。

首里城見学後は、歩いて10分ほどのところにある世界遺産「玉陵(たまうどぅん)」を見学しに行く。ここは「陵」と言う文字が示す通りお墓。誰のお墓なのかと言うと、琉球王国の王様を始めとする王族が眠るお墓だった。入り口が狭い門を潜り玉陵を目の前にした瞬間、なんとも言えない強い「気」のようなものを感じる。この建造物そのものが重く圧迫感があるせいなのかも知れないが、それにしてももの凄い「気」だ・・・。写真を撮っていると段々と息苦しくなって来てその場に立っているのが辛くなって来る・・・。だ、ダメだ・・・。滞在時間約5分で玉陵を後にする。世界遺産とは言え、思えばお墓って神聖で厳粛な場所なんだよな・・・。そこにズカズカと足を踏み入れるのって決して良くはないよな・・・。

程好い木陰道を歩きながら、沖縄には本当にたくさんの人たちの魂が眠っているんだよな、と思った。