知恩院で朝のお勤めに参加する

MALENA2007-01-15

それは、お経のリズムを整える為とも、魚は眠っている時も目を閉じない事から修行の為とも言われているんだそうだ。ひたすら叩いていると不思議な高揚感さえ憶えてしまった「木魚」

午前6時15分。朝のお勤めに参加する人たちの為に知恩院和順会館に目覚ましのアナウンスが流れる。ロビーには20人程の人が集まっていた。未だどっぷりと宵闇に包まれた空の下、お坊さんを先頭に知恩院に向かう。宵闇の中にシルエットだけがくっきりと見て取れる国宝の三門は、威厳があると言うよりはむしろ怖いような気もした。

先ずは阿弥陀堂でぽこぽこと木魚を叩きながらお坊さんを迎える。単調なリズムながら、ぽこぽことひたすら木魚を叩いていると不思議と静かな高揚感が湧いて来る。10分程すると金色をした帽子のようなものを被ったお坊さんが数人のお坊さんと共に現れお勤めが始まる。その後、お坊さんたちが御影堂(これも国宝)に移ると私たちも御影堂に移動する。御影堂に足を踏み入れて先ずはお坊さんの多さに驚かされる。ざっと150人はいるだろうか。そして、それ程の人数にも関わらず一糸乱れずお経が読まれている様は荘厳且つ圧巻だ。

知恩院の朝のお勤めでは、和順会館に宿泊しお勤めに参加した人全員の名前が読み上げられ先祖代々の幸せが祈願されるんだそうだが、慣れない正座が祟りどうにも足が痺れてしまった私・・・。せっかくお坊さんたちが名前を読み上げて下さったのに、すっかり聞き逃してしまったワケで・・・(泣)

お勤めは一時間ほど行われ、その後は本堂の横にある部屋でお坊さんの法話(この日は名前についてだった)を聞く。子供の頃は気に入らなかった自分の名前が何時の頃からか好きになっていた。自分の足で立っている、と確信し、この先も自分の足で歩いて行く、と決めた時から私は自分の名前が好きになった事をフと思い出した。

京都の冬の朝の空気はきりりと冷たかったが、それ故に気持ちがきりりと引き締まる思いがした。