クラクションの音を耳にする事のない島

MALENA2007-05-21

ゴールデンウィークでもないのに、与那国島のレンタカーは何故か出払っているようだった。何でも海上自衛隊の船が入港していて隊員がドッと!?借りに来たらしい。

むぅ・・・呑気に豆腐チャンプルー定食なんか食べてたからレンタカー争奪戦に出遅れたか・・・。

まぁ、でも一台くらい残ってるでしょ。と思っていたら、運良く残っていたんですよ、軽自動車が。「西レンタカー」さんに。

今回の旅では「西レンタカー」さんにお世話になる。ここのおじさん、何だか凄くいい人だった。翌日も借りたいと申し出ると、明後日帰るのなら、明日迄の料金で明後日帰る時間迄に戻してくれればいい、と言う。通常なら1万円ちょっとするレンタカー料金も8,500円でいいと。一言も値引き交渉を口に出したワケではないのに(借りられるだけでラッキーだし)何だか申し訳ないような・・・。

与那国島の旅の足となってくれたのはオレンジ色のカワイイ軽自動車。何でもこの車「Dr.コトー診療所2007」に出演していた某女優さんがオフの時に借りて乗っていた車なんだそうで。

車の運転をするのはおそらく2年振りくらい。加えてオートマなんて10年!?振りくらいか。Pが駐車、Rがバック、とギアを確認後、取り敢えずは島一周目指して出発!

与那国島でのドライブは快適そのものだったが、(交通量が少ないので)島内に数箇所牧場の牛やヨナグニウマが牧場の外に出てしまわないように設けられた「テキサスゲート」と呼ばれる溝があり、気付かずに減速しないで進入し思わず「んがっんんっ!」と口走る事に・・・(笑)

海沿いを走る「南牧場線」では牛たちに遭遇する。

先を急ぐ旅でもないので、そーっと車を停めて牛たちが通り過ぎるのを気長に待つ事に。車の外に出て牛たちを観察してみる。獣道?が車道に出たところで、体の大きな黒い牛が獣道の方を見ながら何度も「モォーッ」と鳴いている。時々先を進む牛たちの方も気にかけている様子。何をしているのかな?再び獣道の方を見ながら「モォーッ、モォーッ」と鳴いた次の瞬間、獣道からはちょこちょこと歩く何ともカワイイ仔牛の姿が。

そうか。大きな黒い牛はおそらく群れのリーダーで、仲間たちが安全に道路を渡れるように目を配っていたに違いない。で、仔牛に早く来るよう呼んでいたのだろう。何と言うか、久しぶりに出会ったほのぼのとした光景。(裏を返せば、余程日常が”ささくれ”状態なのか・・・)

昨年沖縄本島を旅した時、沖縄の人たちは車のクラクションを余り鳴らさないと聞いた事をフと思い出した。振り返れば与那国島では一度もクラクションの音を耳にしなかったし、私も一度もクラクションを鳴らさなかった。

一度(ひとたび)外に出れば、クラクションの音で溢れる都会に戻ると、クラクションの音の無い与那国島で過ごした時間がとても愛しく思えてならいのだ。