台湾まで111km。与那国島は国境の島。

MALENA2007-05-23

日本の一番西の果ての地には風が音を立てて吹いていた。
波はどこか気難しそうな音を繰り返し、アゲハ蝶が空に向かってジクザグに飛んで行く。

日本の最も西に位置する与那国島は、石垣島からは117km、台湾までは111kmに位置する島で、一年に数回晴れた日には台湾が見えるんだそうだ。台湾に近いと言う事は、おそらく与那国島では日本の標準時間よりも時差マイナス一時間の台湾時間の方が本来の時間の流れのような気もする。

この日は空が霞んでいたので台湾は見えなかった。

そんな与那国島の最も西にあるのが西崎(いりざき)で、ここに「日本最西端の碑」がある。実際に碑の前に立ってみると、今、この瞬間、自分の足が日本の一番西の果ての土の上に立っているのかと思うと、在り来たりな言い方だけれども感無量だ。

吹く風。霞のかかった空からそれでも強烈に降りそそぐ陽射し。波の音。移ろう時。
この瞬間、自分の周りにある全てのものが凄く愛しいと思えるのは何故だろう。

余談だが、日本最北端と最東端の地は北海道にあるのだが、私はどちらの地にも行った事が無い・・・。北海道出身なのに・・・(笑)因みに日本最南端は波照間島の筈。

石垣島よりも台湾の方が近いせいなのか、与那国島には琉球でも八重山でもない独自の雰囲気があるような気がする。何と言ったら良いのだろう。島全体を包む空気と言うか、島全体に吹く風と言うか。

西崎に程近い久部良(くぶら)の集落では台湾のテレビ放送が入ったりするんだそうだ。(因みに私が泊まった祖内集落では入らない様子)

絶海の孤島、与那国島はまさに国境の島だ。