日本で一番最後に沈む夕陽

MALENA2007-06-20

断崖絶壁が続く与那国島は砂浜が少ない。そして、砂浜そのものもこじんまりとしている。

そんな数少ない砂浜の一つでもある久部良にある「ナーマ浜」
穏やかに波が打ち寄せるナーマ浜の堤防には、ヨナグニウマをはじめとする与那国島を象徴するものたちが地元の小学生たちによって描かれていて”ほわん”と心温まる風景だ。

夕暮れのナーマ浜では地元の子供たちが海水浴をしていた。
昨年沖縄本島を旅した時に、沖縄の海で水着で海水浴しているのは、ほぼ間違いなく「ナイチャー(内地の人=本州の人。つまり地元以外の人)」だ、と言う話を聞いた事を思い出す。何でも、沖縄の人たちにとって海は水着ではしゃぐ場所ではないんだそうだ。

ナーマ浜で海水浴をしていた大人も子供も、家から来たそのままの格好で海水浴を楽しんでいた。紫外線の強い南の海。紫外線から肌を守ると言う意味でも着衣のまま海水浴を楽しむのが正解なんだろう。

西崎(いりざき)を臨むナーマ浜の堤防に腰を下ろし、日本で一番最後に沈む夕陽を眺める。オレンジ色に染まる水面(みなも)は、幾重にも連なる穏やかな波頭によって柔らかな輝きを放っている。

波の音。風の音。海の匂い。風の匂い。懐かしい音。懐かしい匂い。
全てが皆、穏やかな温もりに包まれている。一日の終わり、そして宵闇の訪れというのは、本来は心が安らかになる瞬間なのかも知れない、とフと思った。