世界最大の蛾「ヨナグニサン(アヤミハビル」

MALENA2007-06-24

子供の頃「うーっ!アイツがテレビ搭を壊したとしても、絶対の絶対に家から一歩も出ないぞ」と堅く心に誓った怪獣がいる。

蝶々ですら嫌いなのに、アイツは蛾!しかも巨大な!テレビ搭を壊されても(実際、ウルトラマンで札幌なんて田舎のテレビ搭を壊すワケもないが。笑)しょーがないってば!と幼気な私にとてつもない恐怖感を与えた怪獣、それは「モスラ」だった。

そのモスラのモデルになったのが、与那国島に生息する世界最大の蛾「ヨナグニサン(アヤミハビルとも呼ばれている)」だ。与那国島以外では石垣島西表島に生息するが、与那国島の固体数が特に多い事からこう呼ばれているんだそうだ。

羽を広げると最大24センチにもなるヨナグニサン。昭和60年に沖縄県の天然記念物に指定されたヨナグニサンだが、そのヨナグニサンの標本なんかが展示されている「アヤミハビル館」と言う資料館があるのだが、当然と言うか何というか・・・足を運ぶ事は無く・・・。一応側は通ったものの、蝶や蛾の標本がどっさり!と想像しただけで猛烈に鳥肌が立ち、無心で車を走らせていたら鬱葱とした道幅の狭い山道に入り込み、更に山道を進むと頂上に着いたのだが、何とも言えない妙〜な雰囲気に辺りを見れば、狂喜乱舞するもの凄い数の蝶、蝶!!!

またしても猛烈に鳥肌が立つと同時にヘンな汗がドッと噴き出し・・・。早々にその場を後にする。与那国島に来てアヤミハビル館に寄らなかったから罰が当たったんだろうか・・・。

与那国島でお世話になった「こみね旅館」のロビーには蝶の標本が飾られているのだが、その中で一際大きな標本がヨナグニサンだ。普通のアゲハ蝶の3倍!?くらいある。柄もどことなく強烈・・・。こんなのがヒラヒラ、いやバサバサと飛んでいたら、いや、もう、間違いなく逃げるだろうな・・・(笑)

こみね旅館のパンフレットには、ヨナグニサンについてこんな事が書かれてあった。

アヤミハビルは、羽化して成虫になるとすぐ交尾して産卵します。
成虫の寿命は雌で5〜9日、雄で4〜5日。実に短い一生です。この間他の蝶のように蜜を採る事もありません。産卵して子孫を残すためだけに成虫となるのです。

南国の太陽の下、鬱葱とした森の中でバサバサと羽を広げて飛べるのが数日しかないヨナグニサン。羽化した後の「いのち」は本当に短い。数日の「いのち」にどことなく相応しいとは思えない派手な柄の大きな羽だが、だからこそ人はヨナグニサンの短いいのちに刹那を生きる事の意味を重ね合わせて見ようとしているのかも知れない、とフと思った。