今年は大河ドラマにハマる

子供の頃、私の家では日曜の午後8時と言えば「NHK大河ドラマ」を見るのが決まり事だった。そのせいで「西遊記」はラスト5分しか見られず、(エンディングの”ガンダーラ”は聴けても、オープニングの”モンキーマジック”は聴けない)次の日学校で西遊記ネタに着いて行けず微妙〜に悲しかった記憶がある。

昨年の大河ドラマ功名が辻」は、やたらと”ほうれい線”が目立つ老けた信長(舘ひろし)と、ヘンな若作りがイタくてどうにも受け入れ難いお市の方大地真央)に我慢が出来ず早々に見なくなってしまったのだが、今年の「風林火山」は欠かさず見ているワケです。

当初は「何か地味!?」と思った役者陣(失礼)だが、どうしてどうして皆さん演技が上手い(巧い)。今思えば、千葉真一Gacktに緒方拳などなど、地味どころか「豪華キャスト」ですよ。ちょっぴり過剰と思えなくもない演技も「風林火山」ならむしろ「アリ」なのだ。

山本勘助役の内野聖陽は思いをグッと内に秘めたような演技と声が良いし、武田晴信役の市川亀治郎は歌舞伎役者だけあって所作が美しい。最初はハラハラした由布姫役の柴本幸由布姫の強さをよく演じていたと思う。

今川義元役の谷原章介、その軍師雪斎役の伊武雅刀真田幸隆役の佐々木蔵之介北条氏康役の松井誠など、どの配役も凄くハマっていて違和感がない。あと、登場する迄は「どうなんだろ!?」と思っていた長尾景虎役のGacktだったが、(上杉謙信=白頭巾のやや太めのおじさん、と言う日本史の教科書のイメージがあったので・・・)義を重んじると同時に狂気をも秘めた景虎を見事に演じていて、良い意味で期待を裏切られた。余談だが「上杉謙信女性説(戦場で敵方の武士が謙信の余りの美しさに思わず見惚れてしまった、とか)」ってのがあるらしいので、Gackt長尾景虎は或る意味ハマリ役なのかも知れない。

そんな中、私的にかなりウケたのが「消臭プラグ」のCMのお殿様が消臭プラグそのままでヘタレな大名役で出ていた事(笑)

役者陣も、オープニング曲も、脚本も、ストーリーも、どれも全てが良いと言える「風林火山」だが、明日は我が身かも知れない戦国の世に誰もが一筋の「生」と言う光を必死で見出そうとしているところに私は一番心惹かれているのかも知れない。明日は我が身の刹那に身を置くからこそ、「生きる」「生きたい」と言う思いは強烈な光を放っていたに違いない。

思えば。
子供の頃は自らの意思で「見たい」とは思わなかった大河ドラマを今は自らの意思で見ている自分はあの頃の両親の年齢をとうに超えてしまっているワケか・・・(笑)