「引き算の積み重ね」の威力

MALENA2007-10-09

いくらユーロが高くなっているからと言って、「ちょっと、ちょっと、そりゃーないんでないの・・・」と心の中で思わず北海道弁を呟いてしまった伊勢丹の靴売場。

東京生活が長い弟が以前「満員の通勤電車でダメになるから、通勤に高価なスーツを着たり高価な靴を履いたりしなくなった」と言っていた事もあり、「通勤電車でうっかりでも踏まれるのは嫌だし」と、こちらに転勤して来る時は実家に置いて来たMANOLO BLAHNIK(マノロ・ブラニク)の靴。

でもなぁ。
靴って履かなきゃ靴の意味ないし・・・。幸いな事に私の通勤時間電車は満員じゃないし。何だか靴に悪いような気がして、実家から連れて来たマノロ・ブラニクの靴たち(”たち”って言っても数足だけど、笑)

私はバックストラップの靴が好きなのだが、マノロ・ブラニクのキャロリンと言う靴は、シンプルなデザインで履きやすく足が疲れない何とも有り難い靴だったりする。そろそろキャロリンの一番ヒールが高いやつ(9センチ)でも買いたいな、と伊勢丹の靴売場に行ってみたところ・・・。

キャロリン、クロコ素材の20ウン万円のヤツしかないし・・・。
それに、昔から確かに高価な靴ではあったけれども、ユーロが高くなっているとは言え、モノの値段をどーのこーの言うのはイヤだけど、だけど。みーんな10万円以上って何ぃーーーーっ!?(汗)

ユーロ高が続くようなら、暫くマノロ・ブラニクの靴は買えないかも。(米国のデパートの通販だと若干お手頃みたいだが・・・)

マノロ・ブラニクの靴を知ったのは、雑誌でキャロリン・ベセット(ジョン・F・ケネディ・Jr夫人。二人とも故人)のファッションを特集した記事だった。

カルバン・クラインのプレスをしていた彼女は、シンプルなストレートヘアにシンプルなメイクにシンプルなファッション。シンプルなヘアは髪の毛が、シンプルなメイクは肌がそれぞれに美しくなければサマにならない。基本の部分が美しいからこそ、ともすれば地味になり兼ねないシンプルな服をカッコよく着こなす事が出来る。「引き算の積み重ね」は、「ただただ足し算」とは比べ物にならない威力を発揮する。

そんなキャロリン・ベセットが履いていたらしいのが、マノロ・ブラニクのシンプルなバックストラップのパンプスだった。それが、キャロリン。

キャロリン・ベセットは夫が操縦するセスナ機の事故で亡くなってしまった。彼女が今生きていたら40歳ちょっとだろうか。年齢を重ねる毎にどんな「引き算の積み重ね」を見せてくれたんだろう、と思うと本当に残念だわ・・・と思わずにはいられないのだ。