南南西へ26時間半。群青色の海と曇り空の父島。

MALENA2008-02-21

おが丸で迎える朝は唐突にやって来た。
「おはようございます」と言う船内アナウンスと共に。

朝6時。目覚まし代わりの船内アナウンスと同時に船内の照明が点灯される。相変わらず揺れている船内に運行状況が説明される。鳥島付近を昨夜午前1時35分頃通過した事(ほぼ定刻)そして、海況が悪い為予定では約1時間15分遅れで父島に到着する事・・・。

まぁ、あの揺れ(例えるなら、内臓がひゅーん!と上がって来るような感覚を憶えるくらい気流の悪い状態で飛行機に延々と乗っているような感覚)だし。自然には逆らえないしね。1時間一寸くらいの遅れで済むなら、ま、いっか、と。

船の揺れにリズムを合わせながらシャワーを浴びる。サッパリしたせいなのか、昨夜は夕食を半分しか食べられなかったせいなのか、フと空腹感を憶える。

おが丸のレストランで朝食。パンは船内で焼いているらしいのだが、コレが結構美味しい。が、朝食トータル1200円也。コーンスープ320円はちょっと高くないかい!?

暫く船室で本を読んだりしながらゴロゴロしていると「前方に聟島(むこじま。別名ケータ)が見えて来ました」と言うアナウンスが入ったのでカメラ片手にデッキへ向かう。相変わらず空が灰色なせいで、海は期待を裏切る鉛色混じりの群青色。ただ、頬に受ける風には昨日と違って微妙に温かさがある。

ぼんやりとギザギザのシルエットが霞んで見える聟島列島。相変わらずうねる太平洋。何処からともなく次から次へと絶え間なく鉛色に盛り上がって来る波が、絶対に滅びない悪魔みたいにも見えてちょっぴり怖いような気もした。

因みに、波の高さ4メートルと言うのは、波が上がって4メートル下がって4メートル合計8メートルの状態の事を言うんだそうだ。8メートルって結構な高さだよね・・・。

聟島列島通過から約2時間後の午後12時45分。おが丸は父島ニ見港に到着する。桟橋ではたくさんの人たちが「おかえりなさい〜!」と手を振っていた。

曇り空の下父島に降り立つ。自分の足が一歩父島の地を踏んだ瞬間26時間半の船旅は終ったのだった。