世界で一番大きな哺乳類

MALENA2008-04-21

少しずつ、少しずつ橙色を帯び始める空。
少しずつ、少しずつ群青色を帯び始める海。

大海原に飛沫が上がると、黒い背びれが海面に顔を出した。背びれがゆっくりと海面に飲み込まれて行くと、黒い尾びれが顔を出す。やがて尾びれもゆっくりと海面に飲み込まれて行った。

夕暮れの大海原で繰り広げられる、ひたすら雄大で荘厳な光景を見せてくれたのはザトウクジラたち。世界で一番大きな哺乳類は、もう、存在そのものが大きかった。

小笠原ではザトウクジラとマッコウクジラを目にする事が出来るんだそうで、ザトウクジラを目にする事が出来るのは12月から5月、マッコウクジラは通年目にする事が出来るんだそうだ。

「感動しましたぁ〜」みたいな”感動の大安売り”は好きじゃないのだが、実際に自分の目で大海原を泳ぐクジラを見た瞬間感じた気持ちは、もう、ただただ「・・・感動・・・!!!」の一言だったのさね・・・(笑)

イルカにせよ、クジラにせよ、大海原を泳いでいるだけの筈なのに、ヒトの気持ちをぐわんぐわんと揺さぶるのは何でなんだろう?同じ哺乳類だから?地球は水の星だから?産まれる前の絶対に辿れない記憶、羊水の中を泳いでいた感覚を想像するから?

何だか上手く言葉に出来ないんだけれども、イルカやクジラを見ていると、凄く優しい穏やかな気持ちになれる。そして、自分がちまちまと、うじうじと悩んだりしている事が、何だかちっぽけな事に思えて来る。

余りに過激な反捕鯨団体には、やっぱり「ちょっとなぁ・・・」と思ってしまうが、「クジラの数が増えすぎた」とか言う理由で、人の手によってクジラの数を”調整”しようとするのはどうかと思う。そう言うのって、自然に淘汰されて行くものなんじゃないだろうか。

ヒトは、自然に抗ってはいけないのだ、きっと。