残酷な夜明け、旅立ちの朝。

午前4時。旭川駅前のホテルの部屋で、私は夜が明けて行く様をぼんやりと見ていた。

どんな夜にも必ず朝はやって来る。明けない夜はない。
でも、こんな気持ちで迎える朝は、その静寂も何もかもが残酷に思えて仕方ない。

前日の夕刻。私と友人Mは旭川駅に降り立った。
タクシーに乗って辿り着いた先には、友人Sのいつもと同じ穏やかな笑顔があった。でも、それは「遺影」の中の笑顔だった・・・。

冬の頃。
と或る斎場で、私は友人Mのお父様の葬儀に参列していた。これ迄何かとお世話になった、優しくて器用でお茶目な友人Mのお父様が亡くなられた事を、「これは何かの間違いなんだ。そう、夢なんだこれは」と絶対に信じたくない自分がいて・・・。

その二日後。
友人Sから重い病気に罹っていて、闘病中である事を告げられる。もう、全ての言葉を失う自分。どうして・・・!?どうしてSが病気にならなきゃなんないの・・・!!!

友人Sに病気の事を告げられてから約三ヶ月。Sはこの世から旅立ってしまった。最後にSに会った時、彼はやっぱり穏やかな優しい笑顔で「大丈夫、大丈夫って〜!」って言ってくれたのに・・・。

先週お父様の納骨が終ったばかりの友人Mが、Sの旅立ちを見送る辛さ、悲しみの深さを思うと、もう言葉にならないよ・・・。

今日、変わり果てた友人Sの姿を目にして、私もMも悲しみが爆発してしまった。私はもう感情のコントロールすらままならず、涙が止まらない。ずっと泣いてる。

でも、泣きながらフと思った。
どんなにPCのモニターが滲んでも、それでも私はこの現実を書かなければ、と。それでも書く事によって、受け入れ難い現実から目を逸らさずにいよう、と。

約一年以上放置していた此処が、まさかこのような形で唐突に復活する事になろうとは・・・。

これからはSの旅立ちを見送った事から、放置していた間の事や、東方旅館の続きや、中途半端になっていた旅の事などを書いて行けたら、と思っています。

また、よろしくお願い致します。