恐るべし!山椒と言うスパイス。

MALENA2004-08-30

湖南、潮州。これでピンと来たら「まずまず」の中華料理好きだと言えるかも知れない。四大中華料理と来れば、北京、広東、四川、上海。それぞれに地域性や味付けや素材に特色があり、どれもそれぞれに美味しいと言える。

四川料理と聞いて先ず思い浮かべる料理は何だろう。
海老チリ、麻婆豆腐、坦坦麺を代表とする唐辛子を「ふんだん」に使った赤くて辛い料理が思い浮かぶのではないだろうか。チベットから成都に戻って来た日の夜。この日の夕食は成都名物!?麻婆豆腐らしい。辛い料理が大好きな私にとっては何とも「楽しみ」な夕食に違いない!なんでも麻婆豆腐を食べるお店は「陳麻婆豆腐」と言う地元では知らない人がいないくらい!?の超有名店らしい。益々期待は高まる。

流石に超有名店と言う事もあり、陳麻婆豆腐の店内は地元の人や観光客でいっぱいで「大繁盛」している感じだ。私達のテーブルにも次から次へと料理が運ばれて来る。ここ陳麻婆豆腐国営企業なのだそうだが、私達のテーブルを担当する若い男性スタッフは、とても愛想が良く且つ動作も無駄が無くテキパキとしている。そして可愛くてカッコイイのだ(笑)そんな男性スタッフが、いよいよ「メイン」の麻婆豆腐をテーブルに運んで来た。テーブルにその器が置かれた瞬間、ちょっとした感嘆の声が上がる。「おぉー!これが有名な麻婆豆腐ですか!」と。器を覗き込む私達に向かってスタッフが日本語で言う。「これは山椒です。辛いのが苦手な人は避けて食べて下さい」と。真っ赤な色をした麻婆豆腐は見るからに辛そうで、でも凄く美味しそうな色をしていた。私は特に山椒を避けるワケでもなくお皿に麻婆豆腐をよそう。そして期待を胸に麻婆豆腐を口にする。一口そして二口、三口・・・何だろう!?これは!?

唇がヒリヒリする。痺れていると言った方がいい。まるで歯医者で麻酔をかけられた時のように!唐辛子でこのような状態になる事は無い。そう、痺れの原因は「山椒」だったのだ。私の場合、山椒を口にするのはせいぜい鰻を食べる時に少量「ふりかける」程度。それに日本の山椒と四川省の山椒は全く以って「別物」であると私は断言出来る。日本の山椒は香りやピリっとした風味があるが、四川省の山椒はただただ「痺れ系」だ。使われている量そのものが半端ではないのだろうが・・・。唐辛子系の辛さを期待していた私としては、これは辛さでは無く間違いなく「痺れ」だっただけにガッカリしてしまったのは言うまでもない(笑)唇の皮が剥ける程荒れてしまっている人や、口内炎が出来てしまっている人は「間違っても」食べてはいけないと言えるだろう(笑)

その後も何とか麻婆豆腐を口に運んでみたものの、やはり私は「どうにも」山椒が苦手らしい事を悟る事となったのだった(笑)