京都の旅最大の目的は宿坊

MALENA2006-12-20

月も星も見えない深い群青色の空。
冬の朝6時一寸過ぎの空は、あと30分もすれば東の空から陽が昇る事が信じられないくらいに夜の色をしていた。

ピリッと冷たい空気の中、灯りのない道をほんの微かに感じる光を頼りに歩く。聞こえるのは自分の足が小さな砂利が敷かれた金堂に続く道を一歩一歩踏み締める音だけ。静寂に包まれた世界が何とも心地よく感じる。

やがて、前方の金堂と思しき黒い影からはオレンジ色の灯りが小さく見て取れる。灯りが大きくなるに連れ、どこからともなく聞こえて来る読経。読経は冷たい空気に低く柔らかく響いていた。

今回京都の旅の一番の目的は宿坊に泊まる事だった。
一日目は御室仁和寺仁和寺御室会館に、二日目は知恩院の和順会館に泊まったのだが、設備等が整っている(エアコンやテレビ、ポットやお茶は完備)事もあるせいかお寺の敷地内にある旅館と言った感じだった。旅館と違うのは門限がある事(概ね22〜23時)や、入浴時間が決められている事や、宿泊者は朝のお勤めに参加出来る事(お勤めは必須ではなく自由参加)など。

門限もなく、適当な時間にお風呂に入り、夜更かしはしても仕事でもない限り早起きなんかする事もない生活を送っている私としては、その規律正しさが何とも新鮮に思えたワケで。言い換えると、余程規律”正しくない”生活を送っていると言う事か・・・。

滅多に体験する事のない朝のお勤めを体験する事が出来て、宿泊料金が一泊朝食付で五千円前後はかなり安い!のではないかと思う。先月だったろうか。電車内で目にしたCREAの中吊り広告。旅特集だったのだが、その中に「大人の女の一人旅は宿坊に泊まる」みたいなタイトルを目にする。へぇ、宿坊って注目されてるんだ・・・。でも、CREAに影響されて宿坊に泊まる人が増えたら予約が取りづらくなってちょっぴり嫌かも・・・(笑)

因みに、宿坊の情報なんかを集めるのに重宝しているのが「宿坊研究会」と言うサイト。宿泊した人たちの声なんかが書き込まれていて参考になる。

今回の旅で宿坊に泊まるのがすっかり気に入ってしまった私。
京都の旅は、もう宿坊に泊まる以外は考えられないな!(笑)